タイガーナンパーカット

ナンパ、出会い、恋愛、性的嗜好。menonsoup@gmail.com

よぅしさんのナンパ指導を受ける前日に考えていたこと。やったこと。

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 よぅしさんのナンパ指導は明日だった。僕は「明日は、どんな指導になるんだろう?」ということを漠然と考えていた。講座自体のエントリーでは「カウンセリングと実践」となっているが、その後の高石さんとの話ではカウンセリングのみということになっているから、そうなる可能性もあるだろう。明日2~3時間のカウンセリングは、僕のナンパに対して、なんらかのコミットが得られる。そういう日になるはずだった。

 当然だけど、僕はよぅしさんのブログを読んだ程度のことしかわかっていない。それでも、彼が現役のナンパ師であり、女性をゲットした経験があり、素人の僕に御指導していただける。ありがたい。それで充分だ。

 よぅしさんは「指導では自身の問う力が必要」と書いていた。そこで何を問うべきかと頭の悪いなりに考えたのは、そういう現役ナンパ師が前にいるのに当日「ナンパしたことがないんです。どうしたら地蔵が治りますか?」みたいな質問で2時間を消費するのは、もったいないことのような気がしてきた。僕だったら、きっと「すればいい」としか言わない。優しい人だったら「どうして、貴方がそういうテンションにならないか、一緒に考えてみましょうか?」ぐらいは言ってくれるかもしれない。しかし、そんなものは有意義な時間じゃない。トライアンドエラー。トライしないといけないと思った。東進のCMネタは自重。

 

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 15:00。池袋に着いた。お酒も飲まず、友達も連れず、自分の意志でナンパをするのは初めてだった。そう考えると、鼓動が激しくなってきて、西武池袋デパートの前の喫煙所で加え煙草をしていると、声をかけられた。男に。

 まさかナンパしにきて、ものの10分で男にナンパされるなんて。芸能事務所の誘いと言われ、何も考えずホイホイ。メトロポリタン近くのマンションの一室に連れて行かれた。前もあったなぁ、と思ったら、やっぱりネットで悪評の絶えない芸能事務所だった。登録料はかからない。マネジメント料も取らない。その代わり、プロモーション写真を頻繁に撮る必要があるので、スタジオの使用料は4万円払って下さい。「払っても仕事を紹介せず、フェードアウトします」ありがとう教えてGoo先生。ノーセンキューからの離脱。帰りのエレベーターですれ違ったカモの男の子たちが、ことごとくAcid Black Cherryのyasuの劣化コピーって感じだったので、こんな連中と一緒かとガッカリしたのが感想。こっちは別にお兄要素のないファッションなんだけどな。

 16:00。声かけ開始。と思ったが、だれに声をかけていいか解らない。おまけに休日のサンシャイン通りは人が多すぎて、わけがわからなってくる。とりあえず新しく出来たアニメイトのビルの前で、ずっとスマホを見ているヘッドホン女の子に声かけ。受け答えはあるが、話が弾まない。待ち合わせだと言っていたのに「じゃあ、これで」と走って逃げられてしまった。

 17:00。サンシャインの 前。声をかけたら、どんな話をすればいいのかなぁ、と初心者丸出しの思考をしつつ、ボーっとしてたら、派手なピンクのカバンを持って歩いてる女性を発見。あ、このカバンが話のネタになるな。「すみません」思ったより自分の声が硬い。「すみません」だめだ。悪い声だ。女は前を向いたまま、僕に手のひらをフリフリ。消えろ。消えました。この諦めの良さも悪いパターンだと後で気づいた。

 

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 18:30。渋谷。やっぱり池袋なんて中途半端な覚悟で望むべきじゃなかった。ナンパデビューといえば、やっぱり渋谷だ。で腹ごしらえ。あとコンビニで、チューハイ500ml。その場で飲んだ。思ったよりターゲットを見つけるのが難しい。土曜の夜、自分が興味を惹かれて、かつ1人で歩いている女性を見つけるのがこんなに難しいことなのか。ネットでナンパブログを読む程度じゃわからなかった。

 19:00。よしもとシアターの前で、ガラス越しに芸人を見ている女に声かけ。「有名な芸人さん出てるんですか?」「ジャングルポケットです」(以下略)「お酒でも飲みながら、ジャングルポケットの良さを僕に語ってくれませんか?」「出待ちしたいんで」撤収。コンビニで強めのチューハイ500mlをリロード。アドアーズ音ゲーを見ながら飲んだ。

 19:30。キャメロットの前で煙草を吸っている女性に声かけ「すみません。ちょっと東京に来たばかりで教えてほしいんですけど」「はぁ…」「東京スカイツリーってどこですかね?」「ちょっと渋谷じゃないですねぇ(半笑)」マジレス乙。声をかけることは出来たが、この会話からどうやって番ゲするのか解らない。またコンビニで同じチューハイ500mlをリロード。

 21:00。もう何人に声をかけたのか解らない。たぶん3,4人ぐらいだったと思うけど、視界がぼやけてきた。完全に飲み過ぎた。またひとつ知った。酔拳は自分には出来ない。そもそも酒弱いの忘れてた。もう声をかけてもダメなんだろっていう敗北の気持ちと、一体なにやってんだろうなって情けなさが出てきた。

 最悪なタイミングはあるものだ。メールが来た。1か月ちょっと前に別れたばかりの彼女だった。どうしようもなくメンヘラで、このままいくと間違いなく自分がズタボロにされると思って電話もメールも全て着信拒否にして「さよなら」という旨の手紙を書いて、自分の住所を書かず、直接、家に投函した女の子。僕は狼狽した。だって、もう絶対に連絡が来ないと思ったから。っていうか、そうしたから。まさか僕の仕事用のGmailアドレスを割り出して送信してくるなんて考えもしなかった。開くんじゃなかった。

「私には大切な人ができて、あなたが恋人だった時にかけた迷惑と失敗を二度と繰り返さないように頑張っています。幸せになってね」

 読んだ時、今の自分と対比をしてしまった。ものすごい欝のビッグウェーブがやってきた。

 (別れる時あんだけ「あなたじゃないとダメなの!いないとダメになるの!」とめちゃくちゃ泣いて引きとめていたくせに、たった40数日で新しい男つくりやがって僕が処女から育てた女が新しい男とパコパコしてる最中、僕はどうでもいい女に路上で声をかけても見向きもされない死にたい死にたい死にたい!)

 

 帰った。風呂のなかで爽やかに「すみません」と言う練習をした。「すみません」の素振り。

「すみません!」「すみません!」「すみません!」「すみません!」「すみません!」「すみません!」。

 初ナンパはこんな日。