タイガーナンパーカット

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女をディスらずに、マウントする技術

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 今回のエントリーは、前回の続きからで、実は分けた。前回とは、つまり「恋愛工学」を使って、女の子を無意味にディスる輩が多くなってきた、という最近の感想を書いたもので、わざわざ「恋愛工学」とカッコでくくっているのは、本当の恋愛工学では、どう書かれているか知らないからで、別のものとして、あえて分けてる。よく知らないものは叩けない。だから本当の恋愛工学を否定するつもりはないけど、なんか「恋愛工学」ってやつを使って、徒に女の子を傷つけてる輩は実在していて、連中については躊躇なく否定する、というのが僕の立場である。

 

 それで、これは単なるマイルールなんだけど、文章において何かを否定するとき、自分は必ず代替案っていうか「こうすればいいのでは?」「こっちの方法のほうが良い」というところまで書かなければならないと思ってる。否定というのは本来そういうもので、自らも否定されるリスクに哂されなければ、少なくとも僕が公開した嫌悪感というものは公平ではない。

 だから今回も「ディスらずに女の子から主導権を取れる方法」について書く。

 

 あいもかわらず書いているうち約7500字という、ラーメンニ郎ばりの量と共に(うちでは平常営業です)、なんとなく自分のなかの着地点を見つけることができた。はじめに言っておくと、これは評論でも、ノウハウでも、テクニックでもなくて、ふだん自分の考えてることや、上手な「同類」たちの女の子と話してる姿を見たことを、カテゴリ別に整理してみたという感じで、ジャンル的には感想に近い。そんなスタンスだから世間の女口説き超人からの美学に基づいた批判があっても気にしないことにするし、むしろ、これが挑発になって正しいマウントの取り方を彼らが発表してくれるのを望む。僕は他力本願寺なんだ。

 

■ 笑わせる

  笑わせるのは、もっとも低リスクに主導権を取れる方法と言っていいと思う。要するに面白いことをバンバン言って、相手から(もっと聞いていたい)とか(こんな面白い人と離れるのはもったいない)と思わせることができれば成功というわけだ。世のふざけナンパは頭のおかしい行為をやることで、それで笑っちゃうようなファンキーな女を釣るという、オープンと(頭のカタい女などの)スクリーニングを同時にやるという、昔から、わりと理にかなった方法でもある。

 ただ今回のように「主導権を取る」という目的で、普通の女の子を相手の笑わせようとする場合、自分の格を落とすようなネタは極力、控えたほうが良いような気がする。「ギャグ」よりは「ジョーク」の方が好まれる。こちらの目的は芸人になることではないので「面白いな」とか「ちょっと変な人だな」ぐらいが有効であっても「バカだな」と見下されたら終わるわけだ。たまに、そこまでやっても女の子とヨロシクできちゃうやつがいて、一体どうなってるのか自分には全くわからない。たぶん本人のキャラクターだろう。

 

■ 早口でまくしたてる

  単純に手数で押し切るという、火力に頼った方法。要するに会話の占有率を上げれば、主導権なんか確実に取れるという。「早さ」とか「ノリ」というのは相手の思考速度を上回れば、相手の思考を奪って、押し切れるという効果がある。いわゆる、これが「強引さ」と呼ばれるものだ。

 マネするだけなら試みたことは何度もあるんだけど、どうにも合わないので僕はやめた。なぜかっていうとバイタリティの消費量が単純に激しい。あと話す内容っていうか、テキトー言い続けるだけなら誰でもできるんだけど、相手への有効打を放つトークをするには、地の頭の速さとか、経験値とか、そういうのが重要になる。最終的には押すだけじゃなくて、女の気持ちをノセる必要があるからね。

 要は、基本的なナンパ術だったり、女の口説き方を抑えている人が「早送り」で行う感じでやるイメージが理想で、ベースのない人がやっても意味がない。たとえて言うならマシンガンを撃ったところで、実銃は反動がすごくて照準がブレるから、相手に当てられないのと同じで、そういった意味では、本人の資質もさることながら、中級者以降が装備できるイメージがある。

 

■ ほめる

 恋愛工学のなかでは「ブスをおだてて、美人を下げろ」ということがよく書かれている。件の「ディスる」というやつだ。美人は、よく男からテヤホヤされている。だから敢えて雑に扱ったりすることで、競合メンスとの差別化を図ろう、というのが概ねの内容で、藤沢数希は「S級女子と戦うためには不可欠な技術」とメルマガに書いてる。しかし、それが工学生にきちんと伝わったかというと既に書いた通り、ちょっと疑わしい。この辺はメルマガという「通信教育」の限界なのだろう。

 僕は藤沢数希のようにS級美人を抱いてきたと豪語できるほどじゃないけど(正直それについて僕は懐疑的だ)、美人に「おだて」が有効じゃない、というのは、そうではない、ということは豪語したい。なぜかというと 「ディスる技術」と同様に「ほめる技術」もまた存在すると思うからだ。

 

 どの人間関係においてもそうだけど一旦、好感度を落とすと回復させるのは非常にしんどい。ナンパのような短期の間柄では、ほぼ即死とすら言っていい。だから技としての信頼性を考えるなら「ディスる技術」より「褒める技術」を学んだ方が良いような気がする。 

 僕が個人的に意識しているのは「あまり他人が言わないほめ方をする」ということだ。たとえば「おまえ結構、肌が良くて色白だよな。東北生まれかと思ってたわ」とか「まあ顔、整ってるもんな」ぐらいのことをサラッと言う。「かわいい」などと、ありきたりの言葉を絶対に使ってはいけない。自然に、できれば言われたことのない表現を使う。つい最近「かわいすぎてムカつく」のトリケラスクリプトが流行ったのも、かわいい女の子が「それまで言われたことのない褒められ方」をされたからウケたわけだ。もし言われた方が嬉しくなったなら、言ってくれた男のことは一瞬、特別なメモリ空間に配置される。しかし、それは決してチャラめの態度で言ってはいけない。褒めようとしたんじゃなくて、見たまんま言っただけって態度を崩さない。「ありがとう」ではなく「そんなふうに言われたのはじめて」と返ってくることを目指す。冬の、新雪を踏むような感覚。

 もちろん、それでも「あ、はい」で流される可能性はある。それならそれでいい。そもそも、これは主導権を取れるという確実な手段でもない。好感度を上げる1カードに過ぎない。大事なのはディスのような無駄なリスクを発生させないことにある。

 褒めるのが何故、マウントが取れないと思われるか、というと一見、媚びた装いを持たせる行為だからだ。ならば媚びてないニュアンスで伝えればいい、というのが僕の考え方だ。このへん以前Yさんがブログにも書いてたんだけど*1、やっぱり褒めるのも一種の技術だなと感じる。僕も勉強中だから決定稿とかないんだけど、多分このあたりの良い褒め方というのを磨けば、美人に効かないということはないと思っている。

 

■ 相手のことを言い当てる

「きみって普段は○○でしょう」系のことを当てていくと「そうなの。なんでわかるの!?」でマウントを取れる方法がある。「占い師」攻撃です。

 占い師が人気たりえるのは「私のことをわかってほしい」というのと「わかってくれる人に(この先の未来を)いざなってほしい」という心理的な預け効果があるんじゃないかと思います。席についた時点でマウントを取れてるわけですよね。なにせ、あの人ら普段「先生」って言われてるからな。

 言い当てるには、たくさんの女の子(年齢・職業の傾向をつかむ)とアポったりして、それまでの経験値が蓄積されていると精度は増すわけだが、別になければマクロ視点でつかんでいけばいい。たとえば「きみって普段は明るいけど、本当は人見知りでしょう?」というと、ほとんどの女の子はうなずく。これはまだ弱い。

 しかし、彼女らのなかでも特有の傾向を言い当てていくと、さらにレベルは上がる。看護師相手に「職場は、おじいちゃんとか、結婚してる医者しかいないし、夜勤とかもあると、もう普段、若い男と出会いなんてないでしょう」まで言えると、彼女らのなかで「理解者ポジション」のランクが上がっていくわけだ。

 そうやって相手の生活や生格を掌握してる(ふりをする)と、マウントは取れる。

  ただ、こればっかりやりすぎると「怖い」ってなる子もいるし「占い師か!」とツッコまれるので(実際これは占い師の常套手段であるコールドリーディングである)時折、笑いを織り交ぜていくのがコツじゃないだろうか。リーディングをしてると悟らせず、実はしてるよ、って具合が良いのかなと。

 

■ 相手の知らない、自分の得意分野の話をする

 女口説きは、よく「自分の世界に巻き込む」「自分のペースに相手を乗せる」ということが重要だとされている。なるほど、自分の世界、よくわからん。そもそも自分の世界ってなんだ? 俺は一体なにを持ってるんだ? と途方に暮れていた初心者時代、女の子と話すときは恋愛関係の話ばかりしていた。セックスにストーリーを繋げていくには、それが一番、近道だと信じていたからだ。


 でも、さすがに何年か続けていくと女の恋愛話なんか飽きてくるわけです。やれ浮気されたとか、ひどい男がいたとか、イケメンは嫌いとか、内面の素敵な人がいいとか、そういう好き勝手な男論を聞かされるのが面倒になってくるわけです。


 で、ある日、吹っ切れて、次からラーメンの話しかしないことにした。いかに僕がラーメンという麺類を愛しているか、きみの最寄駅にある○○という店はボロいが、塩ラーメンが一級品なのに、僕のようなラオタにしか愛されてないということ。え?行ったことがない?(ため息)ありえない。近所に住んでるのに、あの毎朝おっさんが竹筒を使って仕込んだ自家製の細ストレート麺の艶やかさを知らないの? あれは機械じゃ出せない味だよ。とか、そういうことを熱っぽく話すと気付いたんです。

 こっちの方がウケてる、ということに。

 もちろんラーメンの話だけじゃなく、僕には得意な領域がいくつかあるんだけど、女の子の過去のこじれた恋愛話なんか聞くより、自分の好きな分野にもってった方が楽しませられるんですよ。「コミュニケーションは、まず相手との共通点を見つけましょう」とか言うけど、それは相手と話題の共通点を探しましょうって意味じゃない。「楽しい」とか「面白い」とか、プラス感情の共有ポイントを探せって意味なんだ。それには、まず自分の好きなことをぶつけてみるのも手なんじゃないでしょうか。自分の楽しいエネルギーを伝播させるイメージ。そして、その領域は、それまで相手の知らなかった世界で、魅力的に語れれば尚いい。

 

 まだ、これだけでは話は半分。

 

 自分の話だけじゃなくて「君の趣味は?」というバトンを渡す。自分の「楽しい」を伝えて、今度は相手も「楽しい」を教えてほしいと思う。「楽しい」のハッピーセットを作ろう。要するに、良いコミュニケーションをして、居心地の良い空間を作ることを心がければ、ノリを作った自分に相手は自然と寄り添ってくれるはずだ。

 

■ 自分に関する情報公開を制限する

  わりと個人的には難しいと思うんだけど、これについても一応、触れておく。相手の関心を寄せるために、あえて個人情報を極力、開示しないという方法もある。ちなみに説明が面倒なので一番ながい。

 たとえば「仕事なにやってるの?」と訊かれたときに、普通の男は大抵こう答える。

 

「普段はメーカーの営業をしてるよ。田町駅から歩いて15分ぐらいのところにあるんだけど、いつもは外回りで会社にはいないんだ。そっちは何してるの?」

 

 どうですか? おそろしく、つまんないでしょう。あ、そうメーカーの営業なんだ。ふーん。

 これで女の子から映った、あなたは「ただのメーカーの営業マン」になります。おめでとう。

 ただでさえ、そんな面白くないのに、田町駅から何分歩くとか、外回りしてるとか、どうでもいい情報を後から足されてくると、マジメそうだけど退屈の加速度もハンパないでしょう?さらに言うと、この粒度で自分の説明をすると、相手も「私は、ただの事務だよ」とか、同じ粒度を返してくるんです。こうなるとコミュニケーションは死んでいく。

 まあ面白い、面白くない、ということが直接の焦点ではない。

 問題は「わかってしまうとつまらない」ということについてだ。

 

 たとえばプラモデルなんかは「作ってる最中が一番、面白い」ということがある。なぜかというと最終形は、スポーツカーだと解っていても、いま自分がニッパーで切ったパーツが、車のどこの部位なのか、どう繋がっていくかが初めのうちは解らない。でもマニュアルを見ながら作っているうちに「あー、このパーツってこういう風にくっつくのかー」ということがわかってくる。完成する。できあがったスポーツカーのプラモデルは眺めるだけの存在になる。

 そうして、それに対する興味は、次第に失せていく。

 

 概ね言いたいのは、そういう感じのことだ。人間「知らない」「知りたい」が一番、気になる。

 カップルがマンネリ化するのも「もう相手を知ってる」からだ。

 だから自分に関する情報の公開範囲を意図的にコントロールする。はじめから自分の全てを明かさない。

 

 だからといって「なんでも隠せばいい」というわけじゃない。これで終わってしまうと「自分のプロフィールを隠せば、女とヤレる」という頭の悪い層が発生することは恋愛工学の段で学習済みだ。たとえば貴方が女性だったとする。顔は普通で、話が超つまらない男の、年齢や、仕事や、どこに住んでいるかを知りたいですか?

  すげーどうでもいいでしょう!!?

  だから「知りたい」という状態にさせるまで充分、女の子と仲良くなれる能力がないと、そもそも、これは効果が発生しない。「この人おもしろい/この人なんか居心地がいいな」→「でも、なんか良く解らない」→ 「気になる。知りたい」この階段を作る必要がある。①が無いと②が無い。②が無いと③が無い。そういう意味では結構、難しいなーって思う。

 あと普段、自己紹介トークというか「俺は○○です。きみはどう?」みたいな相手の自己開示とのキャッチボールで会話を繋ぐことに慣れてる人には、全く逆のアプローチで接することになるから余計、難しく感じてくる。そのうち相手のパーソナリティを必要とせず仲良くなる方法なんか、いくつもあることに気づくんだけど。

 

 これで、だいたいのところ書いた。

 読んだ人のなかには「これって一部マウントじゃなくて女の食いつき(好感度)上げる方法じゃないの?」と気づいた人もいると思うんだけど、それについては頷くしかないし、というか食いつきを上げるのこそマウントの取り方を、そもそも自分は知らないことに書いてるうちに気づいた。

 他の方法っていうのが「女をディスる」という方法ならば、すでに前回書いたけど、効果的に効かせるには結構、発動条件が多いんじゃないかと思ってるし、女の子を楽しい気持ちにさせて「この人と一緒にいたい」に思ってくれる方法について考える方が、よっぽど健康的だ。

 

 あと「こういえばいいです」という具体的なセリフみたいなのも、わざと書いてない。そういうクリティカルな内容を知りたがる類の男がいることも知ってるんだけど正直、そういうの、あんまり意味ないなって考えるようになってきた。


 なんでかって前回の藤沢数希の記事で、はっきりとわかってきたんだけど、世の中には、人が書いた「こうすれば女とヤレますよ」というマニュアルを読んだり、他人のルーティーンをパクって、切り貼りした言葉を言えば、女の子をお手軽に抱けるって考えてる連中が山程いるんだろうなっていうことだ。

 そういう人たちについては自分も昔そうだったから否定しない。

 僕も初めたての頃は、失敗するのが怖かったし、手がかりもなかったから「多くの人たちが実践で試して良かったから」とか「失敗する確率の低い方法」みたいなものを、どんな女の子もオープンする「魔法の言葉」みたいなものをインターネットで探してたことはあったよ。 

 書いてたら恥ずかしさのあまり死にたくなってきました。。。

 

 でも魔法なんかなかった。

 そんなもの原住民がテレビを見て「箱のなかに人が入ってる!」って驚くようなものだったんだ。

 今なら、それがわかる。

 

 だから一応「そうじゃなくなった」側の人間として偉そうなことを、ひとつ言わせてもらえば、ルーティーンとか恋愛工学とかを、そのまま鵜呑みにしないで「こういう方法があります」と書いてあったら「どうして、それが有効なのか」という根拠についても一度、考えてみておいたほうがいいんじゃないだろうか。

 わからないままマネすると、ただ口から発するだけだから結構、上滑りすることが多いのは、前回の恋愛工学もどきの更新で書いた通りだ。初対面の男が、まだ女の子と仲良くもなってないうちから、ディスりはじめて「俺はおまえのことわかってるよ」とか言い出すのは、本人からすれば「恋愛工学」なんだろうけど、女の子の目に映ってる、そいつは、ただのサイコ野郎なんですよ。

 でも、根拠とか体系みたいなのを理解できたとしたら、それをもとに今度は別の方法も編み出せるはずだから、そういった意味ではルーティーンはルーティーンじゃなくなっちゃうんだよね。

 そういうことが出来るぐらいまでは今回、文章に落としたと思ってるんだけど。

 

 で、どうやったら「わかるようになるか」っていうのは、頭でウンウンうなってても仕方がなくて、実際やってみるしかない。そして、ぶっちゃけていうと大体それはうまくいかない。ピアノの調律や、ギターのチューニングみたいに、ちょっとずつイジって、うまいこと自分がハマる位置みたいなのを探っていくしかない。それで無理なら、ギターはやめて、ベースをはじめるしかない。我ながら、なにが言いたいか良く解らなくなってきました(笑)つまり根本を見直す必要があるってことだ。件の「ディス」を馬鹿みたいに真面目にやって、滑らせてる連中は、果たしてそこまでやってるのかなと言えば、まあ切り貼りが流行っちゃってる時点で、お察しですよね。

 

 結局、男に「女の口説き方」みたいなのを一番おしえてくれるものって、巷にあふれるナンパマニュアルでも、凄腕のナンパ講師でも、まして「恋愛工学」でもなく。

 いま、目の前にいる女だよな。